うつ病治療中は、医師からお酒を控えるように言われるでしょう。
ところが、私がうつ病になったばかりの頃、医師から明確なストップがなかったこともあり、「お酒は少しなら大丈夫かな」と軽く考えていました。
今回は、うつ病中にお酒を飲むとどうなるのか、実体験を紹介したいと思います。
うつ病中のお酒はダメと言われる4つの理由

うつ病中の飲酒は、症状を悪化させて治りを遅くすることがあります。
ここでは、うつ病中に飲酒がダメと言われている主な理由を4つ説明しましょう。
抑うつが悪化するから
お酒は、一時的には気分が良くなるかもしれませんが、しばらくすると抑うつが悪化することも。
また、お酒を飲んでいたときの高揚感との落差で、より抑うつを強く感じやすくなる場合があります。
睡眠の質を下げるから
お酒を飲んだ後は、睡眠が浅くなりがちですよね。
「お酒を飲むと深夜や早朝に目が覚める」「長い時間寝たはずなのに疲れが残っている」などの経験をしたことがある方もいるのではないでしょうか。
十分な睡眠が取れていないと、心身の回復が遅れる可能性があるので、そういった意味でもお酒はおすすめできないのです。
抗うつ薬が効かなかったり効きすぎたりする可能性があるから
お酒によって、抗うつ薬の効果がなくなる、もしくは効きすぎてしまう可能性もあります。
私が服用してきた抗うつ薬にも、すべて「お酒は控えましょう」や「一緒に飲んではいけません」といった注意書きがありました。
- トリンテリックス
- レキサルティ
- クロチアゼパム
- 半夏厚朴湯 ※アルコールが残っていないタイミングでの服用、または服用後5〜6時間後の飲酒はOK
同じものを服用中の方は、お酒は飲まない方が良いと覚えておいてください!
アルコール依存症になる人もいるから
「一時的でも良いから楽になりたい」という思いから、アルコール依存症になる方もいるでしょう。
そうなると、うつ病だけでなく、アルコール依存症の治療も始めなければいけなくなります。
うつ病は冷静な判断がしにくくなるので、そんなにたくさんのお酒を飲む気はない方も、万一を考えて飲まないでおくと安心です。
うつ病中にお酒を飲むとどうなる?私のミスエピソード

うつ病になり始めて間もなかったころ、明確なドクターストップがなかったため、お酒を飲んでいました。
飲む頻度はひと月に1回程度と、そんなに多くはありませんでしたが、飲酒しなければ良かったなと今では思います。
ここでは、私がうつ病中にお酒を飲んで起こったミスエピソードを紹介します。
ぜひ反面教師にしてください。
飲酒した翌日は気分が落ち込んでいた
お酒を飲んだ翌日は、気分が落ち込んでいました。
「昨日はあんなに楽しかったのに、どうして今日はこんなにつらいの?」
「お酒を飲まないと元気になれないの?」
と、ぐるぐる考えてしまっていたのです。
前日が楽しかっただけに、急に地獄に落とされたような、とても辛い時間でした。
覚醒しすぎて眠れなかった
お酒を飲むと覚醒してしまい、眠れなくなることが多くありました。
一時的に気分も良くなっているので、調子に乗ってオールすることも。
しかし、翌日は睡眠不足になるし気分は落ち込むしで、何も良いことはありませんでした。
飲む前は量を気にしていたのに、最終的に結構飲んでいた
当時も、お酒を飲む前は「1杯だけにしよう」「1缶だけにしよう」などと制限する意思がありました。
しかし結局その場の空気に流されて、2杯・3杯・4杯…と飲んでいることもしばしば。
翌日が辛いとわかっていても、適量に留められなかったのは、これが理由です。
よく二日酔いになるようになった
うつ病になる前は二日酔になることはほとんどありませんでした。
ところが、うつ病になってからは、飲みすぎると頭痛・吐き気・下痢をするようになったのです。
うつ病になると、ストレスによって胃腸の活動が弱まる傾向にあります。
きっとその影響で、二日酔いになりやすくなったのでしょう。
私がお酒のリスクに気づいたきっかけ
当時はお酒を飲むリスクをよく理解しておらず、上記のような不調があっても医師に相談するという発想には至りませんでした。お恥ずかしい…。
そんな私が飲酒しなくなったきっかけとなったのは、ある飲みの席で、たまたま飲まなかったとき。
その日の夜は眠りやすくて、翌日になっても抑うつがひどくなりませんでした。
また、私だけが飲んでいない状況になっても、場の空気は壊れないことも学びました。
そこで「お酒なんて飲まない方が良いじゃないか」と思ったのです。
結論:お酒は飲まない方が安心
うつ病中にお酒を飲んだ経験を踏まえて思うことは、「お酒は飲まない方が良い」です。
一時的に気分が良くなるのは嬉しかったのですが、抑うつの悪化や睡眠不足など、代償が大きかったなと感じています。
医師から「お酒は飲まないように」と強く注意されていなかったとしても、念のため、飲酒は避けておいてくださいね。
どうしても飲酒を避けられない場合の対処法
もしも仕事の付き合いなどで、どうしても飲酒は避けられない場合は、医師に相談しましょう。
あなたにとっての適切な飲酒量・頻度、飲酒前後の対策などを教えてもらえるはずです。
また、医師からのアドバイスを取り入れても心身の不調が見られたときは、そのときの状況を詳しく医師に伝えてください。
ひとりで解決しようとせず、医師と一緒に対策を考えていきましょうね。
最後に
お酒は、一時的に気分を良くさせてくれたり、会話を弾ませてくれたりします。
人によっては、入眠を助けてくれることもあるでしょう。
しかし、うつ病中の飲酒はそれらが仇となる可能性があります。
お酒が好きな方にとっては悲しいことかもしれませんが、できるだけ飲酒を控えておくと安心です。
今は心身の回復を優先して、美味しいお酒はうつ病が寛解してからのお楽しみにしておきましょう!
それでは、最後まで読んでくださりありがとうございました。